青色申告②申告用ソフト編

青色申告は難しい?

 一般的に、青色申告はある程度の簿記の知識がなければ難しいとされてきました。というのも、青色申告をするにあたっての、条件とされている「正規の簿記」は原則として複式簿記のことをいいますが、この複式簿記自体が簿記初心者にとって難解で手間がかかる為です。複式簿記とは、会計取引を借方(資産が増える場合)と貸方(負債が増える場合)に分けて記帳を行い、それぞれ勘定科目に仕分け、この勘定科目ごとに総勘定元帳と呼ばれる帳簿を作成する方法です。こうした工程を経て、青色申告に必要な「損益計算書」「貸借対照表」を作成するわけですが、まず、この借方・貸方や、勘定科目と突然言われても、簿記の知識がなく日ごろ経理の業務に携わっていない人にとってはそれが何なのかわからないと思います。そして、もしそれぞれの意味がわかったとしても、どの勘定科目が借方・貸方どちらに分類されるのかといった点も初心者にとっては非常にわかりにくい点だと思います。

青色申告の唯一の欠点であるこの難解さを改善してくれるのが、青色申告ソフトなのです。    

青色申告ソフトとは

青色申告ソフトとは、従来すべて手作業でしなければならなかった、面倒な日々の記帳業務を、自動集計で行い申告に必要な書類を作成してくれる便利なソフトウェアのことをいいます。また、簿記の知識があまりない人でも、比較的簡単に申告書類の作成ができる事が特徴です。    

手書きでの申告と何が違うの?

簿記の知識のある方であれば、すべて手書きで申告することも不可能ではありません。ですが、手動で計算や転記をするとなるとどうしても書き間違いや計算ミスも起こり易くなりますし、その度に自分で訂正箇所を探して修正するのはかなりの手間がかかります。また、正確さが求められる青色申告において、必要なデータを自動で集計してくれる機能は大変便利だといえるでしょう。青色申告ソフトを使うことにより、複雑で簿記の知識なしでは難しいとされていた青色申告を簡単かつ手軽に行うことが可能となっています。    

青色申告ソフトのメリット

青色申告により申告するメリットは、税制上の特典を利用できることです。青色申告特別控除や青色事業専従者給与は、その金額がそのまま所得から控除されますので、節税対策として大変有効です。
ただし、これらの特典を受ける為には、日々正規の簿記の原則に従って記帳を行い、その帳簿を作成し、申請書・届出書の提出等を行わなければならず、通常の申告よりも手間がかかる、といった点がデメリットです。
しかし、近年では青色申告ソフトを使うことにより、複雑で簿記の知識なしでは難しいとされていた青色申告を簡単かつ手軽に行うことが可能となっているのです。    

選び方のポイント

青色申告ソフトを選ぶ際は、以下の点に気をつけましょう。

①自分に合った入力方式に対応しているか?

②法令改正・消費税率変更などに対応しているか?

③サポートは充実しているか?

④利用するPCの動作環境にマッチしているか?    

今後の税制改正には対応してくれるの?

法令改正や消費税率の変更などがあった場合、手書きだと自分でその都度調べながら記帳を行わなければならず時間がかかってしまう上、計算ミス・記帳ミスに繋がりかねません。その点、青色申告ソフトなら最新の製品であれば、ほとんどのメーカーが対応するプログラムを無償で提供している為、安心して正確な記帳が行えます。※ただし、製品によっては保守契約への加入が条件となっているものもありますので購入前に確認が必要です。